目次
一人暮らしで友だちも少ない私は、病気の事を一人で抱え込み、辛い日々を送っていました。
私は一人暮らしで友だちも少ないです。
なので、基本、相談する人って皆無なんですよね。
家族は父親と年の離れた兄がいますが、二人とも疎遠で相談するほどではありません。母親は私が小学2年生のときに蒸発して、長いこと会っていません。
なので、病気の事はずっと自分で抱え込み、本当に辛い日々を送っていました。
私の病気は進行性の神経難病「遺伝性痙性対麻痺」なんで、一人で抱え込むにはとても重く、耐えられないと思うこともしばしばでした。
誰にも頼れない環境も私をより一層苦しめることになりました。
病気が進行するにつれて、しなくてはいけない事が押し寄せてくる。「障害者手帳」「難病医療費助成」申請。
通院し検査の日々が続きます。
そんな中、私の身体は徐々に動きにくくなり、痙性の症状が強くなっていました。
ある日、杖をついて歩いていると私の横をすごいスピードで車が横切りました。
その風圧で私はバランスを崩し、転んでしまいました。
「ああ、私はもう普通に歩けない体なんだな。」
って、その時自覚し、まだ歩ける間に出来るだけの申請をしておこうと思いました。
でも、考えてみたらそういった障害者の申請って何があって、自分の病気や障害はどんな福祉サービスが利用できる権利があるのか、申請できるのか、ぜんぜん判りませんでした。
父も同じ症状で障害者手帳を持っていますが、この時はまだ、父に遺伝性の病気だということを知られたく無かったので、聞くことが出来ませんでした。
申請などは医師の診断書をもらわなくてはいけないと思ったので、まずは主治医に聞いてみたところ
「申請関連の相談はソーシャルワーカーにして欲しい」
と言われたんです。
「ソーシャルワーカー?」
その時はあまり聞きなれない単語でした。
ソーシャルワーカー・・・病気諸々の事で困った私が最初に相談出来た人
「ソーシャルワーカー」って言われて最初ピンと来ませんでした。
先生に聞くと、病院の医療相談室にソーシャルワーカーという、患者の諸々相談に乗ってくれる相談員がいるので、申請等のやり方を教えてくれるからまずは相談室に行きなさいと言われました。
私の通院している病院は大学病院なので、病院内に医療相談室があるんですね。そんなことも全く知りませんでした。
先生の言った通り、医療相談室に相談のアポを取り、それからお伺いしました。
医療の諸々申請方法から今後の生活の不安まで、ソーシャルワーカーさんに相談しました
私が通院している病院のソーシャルワーカーさんは20代くらいの若い方でしたが、障害者手帳の取得方法を、何もわからない私に解りやすく説明してくれました。
障害者手帳の申請に関しては、当初自分が思っていたよりも複雑ではなく、役所に出向く必要はあるものの、そんなに難しいことではないことがわかり安心しました。
実際、申請もスムーズにできて、私は障害者手帳を取得できました。
他、この先、病気が進行し、働けなくなった場合、どうすればいいか、どういった社会福祉サービスを受けられるか、説明してくれてもし、また何かあったら気兼ねなく相談してくださいと言ってくれました。
とても、気兼ねなく話してくれて、相談しに行く前は結構身構えていたのですが、その飾らない話し方にとても気分が楽になりました。
あと、
「以外と病気の事で相談できる人は多いですよ。」
とも教えてくれました。
もし、自分の病気の事がもっと知りたいなら同じ病気の人たちが集まる集会やセミナーに参加するのもどうですか?なんてことも提案していただきました。
そんなこと考えたことすらなかったので、ちょっと目から鱗でした。
病気は不安がつきものですが、病院や役所にも相談員がいるので、不安に思っていることがあったら、一人で考え込まず、まずは相談してくださいと言ってくれて、私はすごく安心しました。
情報はネットなどに載っているけれど、やはり直接相談する人がいると安心感が違います。
正直、相談するまでは大したことは聞いてくれないんだろうなーと思っていましたが、医療関係の申請方法から、私の今後の生活の不安まで聞いてくださいました。
申請に関してはネットなどで調べれば大体載っていますが、細かいところでわからないところもあり、やっぱり知識ある相談できる人に話を聞いてもらえたので安心感が違いました。
通っている病院によってはソーシャルワーカーさんなど相談員がいない場合、お住まいの地方自治体には社会福祉士や相談員が必ずいるので、私のようにお困りの方は一度、電話などで聞いてみると良いかと思います。
人は本当にピンチのときって、体が金縛りみたい動けなくなり、内に閉じこもってしまいがちだと思うんです。
私はそうでした。
特に私のように一人暮らしで、病気を抱えてしまうと一人で考えるしかないと思って、悩みを抱え込んでしまって辛い思いをしてしまう人が多いと思います。
一番はご家族や、信頼できる人がいて、相談できる環境があれば良いかと思いますが、私のように「おひとりさま」の場合は「相談員」「ソーシャルワーカー」「社会福祉士」など専門家に相談すればかなり不安が軽くなり、今後の闘病の負担が軽くなるかと思います。
私は相談し、障害者手帳を取得したことで、何かが吹っ切れたみたいで、その後、病気とちゃんと向き合えるようになりました。
相談員さんがイロイロと調べてくれたお陰で、難病申請も問題なく申請出来て、申請も先日受理されました。
今はまだありがたいことに働けているので、今後、病気が進み、働くことが難しくなった場合など、また、相談させて頂くかもしれません。
大事なのは・・・
「一人で抱え込まない事」
扉は締まっていません。